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COLUMN
<NO1>

「事業承継とは何か?」

経営権と財産権の移転
 日本の企業の多くは中小・零細企業であり、いわゆる「所有と経営の分離」がされていない、すなわち経営者=株式所有者(=会社所有者)という、いわゆるオーナー経営者であることが多いのが実状です。こうした実状の下での事業承継とは一般的に、「会社の経営を現在の経営者から次の経営者へと承継することをいい、具体的には、次の経営者への実質上の経営権の交代と自社株をはじめとする財産権の移転である」といわれています。

 もう少し具体的にいうと、事業承継は、現在の経営者が自身の意思によって、生前に次の経営者にふさわしい者(多くの場合は子息のうちの一人)を選出し、その者を教育して、社内・社外の者に認知させることによって経営権を交代させることにあります。そして「相続税の負担が世界一重い」といわれている現行税制下において、スムーズな経営権の交代のためには、自社株の多くを所有するオーナー経営者の相続税対策は必須であり、相続税対策を無視しては、資金面の裏づけに欠けるため成立しません。

 従って、次の経営者をだれにするか、どのように育成し、いつ経営権を交代するかという、人にかかわる対策だけでは不十分です。自社株の評価を下げて相続税額を圧縮するといった納税資金対策などを含めた相続税対策も必要となります。片方の対策だけでは、事業承継対策とはいえません。両者のバランスのとれた対策こそが重要なのです。

優良企業ほど大変な自社株対策

 この事業承継対策はしっかりした企業経営をされて、優良な会社にすればするほど難しくなるという矛盾を抱えています。すなわち自己資本が充実しているために株価が驚くほど高くなり、承継するのに莫大な納税コストがかかってしまうということです。後継者の方が自社株を取得し、事業承継をしても自社株で納税することはきわめて困難でありますので、納税のために多額の借金を抱えながら事業経営を行わなければならないケースも考えられるのです。
そのほかにも問題点はあります。法的には会社は株主のものですから、株式が分散すると経営権を巡ってトラブルとなる可能性があるといった問題がでてきます。
社長のイスを確保したつもりでいても、株式の保有比率が低ければ簡単に解任されてしまうこともありうるのです。

総合的・計画的な対策設計を

 以上からおわかりいただけるように事業承継対策は民法、商法、税法などの法律とそれぞれの実務に精通していないと実行は難しいのが実状です。また、対策は早ければ早いほど打つべき手の選択肢は多くなり、対策の効果も高まります。
 したがいまして、早めに信頼できる専門家に相談して、計画的に事業承継対策を検討することをお勧めします。


専門家プロフィール
楯 泰治 昭和40年9月17日生
【プロフィール】
昭和63年京都大学農学部農林経済学科を卒業し、株式会社富士銀行(現みずほフィナンシャルグループ)、監査法人伊東会計事務所(現中央青山監査法人)勤務を経て、開業し現在に至る。
【得意・専門分野】
中小企業の事業承継対策・会計管理をベースにした経営コンサルティング、株式公開支援、企業組織の再編、会計監査、ディスクロージャー、公益法人の指導、内部管理体制の整備・運用。
【公認会計士 楯康治事務所】
〒460-0008 名古屋市中区栄1-16-16 チサンビルサカエ204号
TEL 052-211-1315 FAX FAX 052-211-1316
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