| 日本の企業の多くは中小・零細企業であり、いわゆる「所有と経営の分離」がされていない、すなわち経営者=株式所有者(=会社所有者)という、いわゆるオーナー経営者であることが多いのが実状です。こうした実状の下での事業承継とは一般的に、「会社の経営を現在の経営者から次の経営者へと承継することをいい、具体的には、次の経営者への実質上の経営権の交代と自社株をはじめとする財産権の移転である」といわれています。
もう少し具体的にいうと、事業承継は、現在の経営者が自身の意思によって、生前に次の経営者にふさわしい者(多くの場合は子息のうちの一人)を選出し、その者を教育して、社内・社外の者に認知させることによって経営権を交代させることにあります。そして「相続税の負担が世界一重い」といわれている現行税制下において、スムーズな経営権の交代のためには、自社株の多くを所有するオーナー経営者の相続税対策は必須であり、相続税対策を無視しては、資金面の裏づけに欠けるため成立しません。
従って、次の経営者をだれにするか、どのように育成し、いつ経営権を交代するかという、人にかかわる対策だけでは不十分です。自社株の評価を下げて相続税額を圧縮するといった納税資金対策などを含めた相続税対策も必要となります。片方の対策だけでは、事業承継対策とはいえません。両者のバランスのとれた対策こそが重要なのです。
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